新庄監督も期待の江越 価値ある追撃の2号3ラン
■パ・リーグ7回戦 ロッテ0-5日本ハム(5月13日、エスコンフィールド北海道)
狙い通りにスライダー仕留めた ロッテ突き放す豪快3ラン
豪快な一撃で勝負の行方を決めた。日本ハムの江越大賀外野手(30)が13日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦に「8番・中堅」で先発出場。2点リードで迎えた三回2死一、三塁の好機で2戦連発となる2号3ランを放った。左中間スタンド最深部への一発に「感触は良かった。行ったと思いました」と笑顔。新天地でプロ9年目を迎えた男が、充実の時を送っている。
打った瞬間に柵越えを確信した。スイング直後にバットを放り投げ、走り出すと同時に右手人さし指を突き上げた。二回の第1打席で左肘に直球をぶつけられた江越は、次打席で変化球に狙いを絞っていた。1ボールからの2球目。「前の打席でデッドボールをもらっていたのでスライダーを待っていた」と、願ったりかなったりの一球を確実に仕留めてみせた。
自他ともに認める好調さ 11日のソフトバンク戦では5年ぶりアーチ
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
11日のソフトバンク戦では2018年5月11日の広島戦以来となる5年ぶりの一発をマーク。移籍後1号を記録すると、勢いそのままに新球場で自身初のアーチを描いた。乗りに乗っている背番号37は「コンパクトに、体を振らないようなスイングを心がけている。それが結構良い感じできています」と好調を自認する。
新庄監督から温かなゲキ 「センターは任せる。使うから安心して打席に」
魔法の言葉が勇気を与えてくれる。その潜在能力を認める新庄監督は、タイミングを見定めながら必要な助言を送る。指揮官は「今はケガ人が多いので、江越くんに『センターは任せる。使うから安心して打席に立ちなさい』と。きょうの試合前は『2三振はいい。3三振はダメ』って。前は3三振OKだったんだけど。やっぱりメンタルのスポーツなので、良い感じで打ってくれますね」。温かな心遣いで緊張を和らげ、ベストパフォーマンスを引き出している。
指揮官監修ユニにも燃えた 「僕が一番似合うんじゃないかな」
覚醒気配を漂わせる男からはスター性もにじみ出る。この日からチームは新庄監督プロデュースの赤黒ユニホームを着用。ど派手な戦闘服に身を包んだ江越は「この色合いは僕、結構好き。この赤と黒というのは、シンプルに僕が一番似合うんじゃないかな」と冗談めかして周囲の笑いを誘った。
お立ち台には襟を立てて登場。さらに存在感を際立たせ、ファンへ勇姿を届けた。「試合前の円陣でも、このユニホームで格好いいプレーを見せようと話していたので良かった。僕もたまには打つ。きょう来てくれたファンの方はラッキーだったんじゃないかな」。幸運ではなく実力ー。特大の一発がフロックでないことを誰もが知っている。