《湘南戦後》選手たちはすばらしいリバウンドメンタリティーを見せてくれた
■J1第13節 湘南2-4札幌(13日、神奈川・レモンガススタジアム平塚)
-試合を振り返って
湘南との対戦ということで、非常に難しいゲームになることを想定していた。湘南は走力とアグレッシブさとチームとしての規律があるコンパクトなチーム。それに対して我々はしっかり準備をして今日のゲームに入ったし、立ち上がりから選手たちが狙い通りのゲームを進めてくれた。その中で比較的早い段階で得点をして、リードをする展開をつくれたが、ただその後何回かチャンスはつくるものの、なかなか追加点が取れない展開の中でハーフタイムを迎えた。
あのハンドの判定で試合が全く真逆の展開になった
後半に入っても引き続き自分たちの狙いとする戦いを見せられていたが、あのハンドの判定で試合が全く真逆の展開になってしまった。PKを取られて失点した後、またすぐに失点をして逆転されてしまった。選手たちにとって決して納得のできる判定では無かったと思うが、ただその納得できない部分の怒りをエネルギーに変えて、もう一度ギアを上げて攻撃を仕掛けてくれて、そういう中で同点、そして逆転をすることができた。選手たちはすばらしいリバウンドメンタリティーを見せてくれたと思うし、最終的に我々が勝利することができた要因だ。試合を振り返っても、札幌が勝利に値する試合ができていたのではないだろうか。
-前線の駒井、小柏、浅野が全員得点を決めた
前線の3人の選手はビッグネームだ(笑)。浅野はシュツットガルト(ドイツ)から来たし、小柏はメンヘラートバッハ(ドイツ)からで。駒井はどこからだったか(笑)。
札幌で成長を続けている選手たち、移籍が心配になってきている
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浅野は広島でチャンスがもらえない状況だったし、小柏は大卒で入った選手。駒井は京都から浦和に移籍して私の下でプレーして、浦和で出場機会が無くなった中で札幌に来てくれた選手だ。うちのクラブはたくさんのお金をかけて選手を獲得しているので(笑)、3人の選手は得点を取るのに優れた選手だ。中村は札幌の育成で育った選手で、プロに入ってなかなか芽が出ない中でJFLのHondaにプレー機会を求めて移籍したが、そこでもなかなか出場機会は無かった。けれども札幌に帰ってきて成長を続けていてくれている選手。菅もユースから上がってきた選手で、プロ1年目から出場をずっと続けている。もしかしたら(柏木や田中順也、宇賀神がいるJ3の)岐阜の選手の方がうちより高いかもしれない(笑)。
鈴木武蔵は札幌で得点を重ねる中で活躍が認められてベルギーへ移籍した。アンデルソン・ロペスもソウルから札幌に来て得点を重ねて、その活躍が認められて中国に移籍した。そして今浅野が得点を重ねているので、その辺りの心配をしなければいけないのかと心配になってきている。ただ、そういう選手たちがいなくなっても何とか生き残ってきたのが札幌だ。ヨーロッパ、例えばドイツではボーフムがリーグで一番点を取っているチームで、そういうチームはかなり注目を集めると思う。他会場の結果はわからないが、今のところ札幌はおそらくリーグで一番点を取っているチームかもしれない。
成長の伸びしろの過程にあるチーム
私はチームには力があると思っている。ただここまで勝ったり負けたりという試合が多かったのも事実だ。今日の試合で初めて今年に入って連勝できたわけだが、今週は試合に向けて、連勝をしていかなければいけない、コンスタントに勝っていかなければいけないと、ずっと選手たちにミーティングで話してきた。
さっきも言ったとおり、彼らはJ1のトップクラブのトップチームで常に出続けてきた選手たちではない。そういう中で、彼らが常にコンスタントに自分たちの力を発揮していく中で、毎試合毎試合勝っていくというのは彼らにも経験が無いことだ。ただそれは成長の伸びしろでもある。我々はまだそういう過程にあるチームで、残念ながらできあがった選手を連れてきて、チームを編成しているわけではない。成長させながらチームをつくっているという意味では、選手自身もチーム全体も未成熟な部分がある。だからこそ我々は簡単に負けたりするわけだが、そういう取り組みを経て選手たち、チームが成長する中で上位を争っていくチームに変わっていけばと思っている。
京都戦は、ここから上に行くよと示すゲーム
次は来週金曜日に京都との試合になる。私は非常に重要なゲームだと捉えている。今日の湘南からの勝利はもう忘れなければいけないと思っているし、私自身は今日をもって頭から消したい。次の京都戦に勝利することができれば、札幌はここから上に行くよというのをしっかり示すことができる。そういう試合になるだろう。今週は連勝していかなければいけないと話をずっとしてきたので、来週はその上で、どういうふうに選手に声かけをしようかなという意味では、私も悩ましい。何を話しましょうか。