エース渡辺〝大谷流スイーパー〟で4回6K 立命館慶祥7年ぶりの春全道へ
■春季全道高校野球札幌支部(16日、札幌円山)
▽Cブロック代表決定戦 立命館慶祥9―3札幌白石
六回から登板、4回1失点
新球「スイーパー」で勝ち上がる。立命館慶祥が札幌白石に9―3で快勝。六回から登板した背番号1の渡辺翔吾(3年)が4回1失点6奪三振の好投を見せた。7年ぶり6度目となる春季全道大会へ手応え十分。大谷翔平投手(28、エンゼルス)からヒントを得た右腕が、全道の舞台で打者を翻弄する。
横に滑るスライダー、いわゆる「スイーパー」に各打者のバットは空を切った。5点リードの六回、2番手でマウンドに上がると「流れが行ったり来たりっていう感じだったので、勢いを付けよう」と気合十分だった。15日の札幌静修戦に続く連投の疲れは感じさせず、自然と雄叫びが上がった。いきなり連続三振に切って取ると、その後も毎回三振を奪う6奪三振の快投で札幌白石打線の勢いを削いだ。
6奪三振のうち4個がスイーパー
6奪三振のうち、4個がスイーパーで奪ったものだった。渡辺は「右バッターに対しては逃げていく軌道になるので、有効だと思います」と手応えをつかんでいる。球種は直球とそのスイーパーのみだが「単純にその2球種で今のところは十分。スライダーの球速帯も軌道も直球に近いので、その2球種の投げ分けができれば」と自信を覗かせる。
元々スライダーは得意としていた球種だったが、4月頃から大谷の右腕の使い方を参考にすると見事にハマった。右肘をわずかに下げるイメージで投げると軌道が変化した。斜めに曲がるスライダーが真横に滑るようになった。「横の曲がりが大きいスライダーだと空振りも取りやすくなったし、カウントも取りやすくなった」。今春の札幌山の手との練習試合では、自身最速を5キロ更新する140キロをマーク。球威が増し、奪三振能力はグッと上がった。
横山監督「制球が安定している」
昨秋に背番号1を付けていた岩渕正晃(3年)は制球面に課題があったため、今大会は渡辺が「1」を背負っている。「気持ち的には責任が増えた。他の3年生もいい投手ばかりなので、夏にもっとチームを勝たせられるようにしっかりやっていかなきゃいけない」と気を引き締めた。横山蔵人監督(62)は「変化球もいいものを持っていて、制球が安定している」と変化球の精度や制球力を評価する。
昨秋の全道大会では準決勝まで進出したが、主力メンバーが新型コロナの陽性者となり〝手負い〟の状態で敗退した。「本当に悔しい思いをしましたし、チーム全員のレベルアップを図って、みんなで努力してきた。全道大会でやり返したいです」。進化した武器を携えた右腕が、全道の舞台を席巻する。
16代表出揃う
◆春季全道高校野球各支部代表校◆
名寄支部 稚 内 大 谷(2大会連続29度目)
北見支部 遠 軽(2年ぶり18度目)
旭川支部 旭 川 明 成(2大会連続2度目)
釧根支部 武 修 館(6年ぶり6度目)
十勝支部 白 樺(3大会連続16度目)
空知支部※ク ラ ー ク(3大会連続5度目)
岩 見 沢 東(9年ぶり6度目)
札幌支部 札 幌 大 谷(4年ぶり4度目)
札 幌 第 一(2大会連続22度目)
立命館慶祥(7年ぶり6度目)
札幌日大高(3大会連続14度目)
北 海(3大会連続39度目)
小樽支部 小 樽 双 葉(4年ぶり3度目)
室蘭支部 駒大苫小牧(10大会連続19度目)
北 海 道 栄(2年ぶり14度目)
函館支部 函 大 有 斗(4年ぶり36度目)
※は選抜甲子園出場枠