《岩本勉のガン流F論》車も野球も重要なバッテリー 快走したファイターズ号
■パ・リーグ8回戦 西武0-3日本ハム(5月17日、エスコンフィールド北海道)
上沢に懸けられた期待 何イニング投げてくれるんだろう
「バッテリー」が丈夫な車はよく走る。野球にも重要な「バッテリー」が存在する。今夜のファイターズ号は一回から実に元気に快走した。
前日、延長の末に敗れた。みんながやられたわけではないが、リリーフ陣には心身とも疲れが残っていた。一夜明けて先発はエースの上沢。何イニング投げてくれるんだろう。そういう思いが誰しもにあったはずだ。
エースの完封劇 得点圏に走者を背負っても危なげないピッチング
そこで4安打完封。1人で投げきった。炎の120球。得点圏に走者を背負う場面こそあったが、危なげないピッチングと評することができる内容だった。
誰よりも寝不足だっただろう清水 その女房役が見せたスーパーリード
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
その完封劇を導いたのが捕手の清水。スーパーリードを見せてくれた。コースを間違えても奥行きと高さにミスが許されないチェンジアップとフォーク。一方で、コースの間違いが致命傷となるカーブとスライダー。清水はジェスチャーを交えながら、しっかりとマウンド上のエースに一球一球、サインを送っていた。スライダーが高めに浮く場面もあった。それでも決してコースを間違えることはなかった。
打っても五回に先制&決勝打を放った。前日、九回2死から同点ホームランを浴びた。そこでマスクをかぶっていたのが清水だった。途中出場で痛すぎる一発。悔しさは計り知れない。この日、どの選手よりも寝不足でグラウンドに立っていたことだろう。
ギアを上げていった打線 投打がかみ合った試合
清水の先制打の後、打線はアルカンタラと松本剛にもタイムリーが生まれた。三回までエンスに完璧に抑え込まれたが、2巡目の四回にギアを上げて2安打し、五回にはさらに3速、4速とギアチェンジし、計3点を奪った。この日の上沢には十分な援護点。投打がガッチリとかみ合った。