上沢 5年ぶりの完封でハーラートップタイ4勝目 9回120球の熱投
■パ・リーグ8回戦 西武0ー3日本ハム(5月17日、エスコンフィールド北海道)
散発4安打でシャットアウト 見せつけた底力
日本ハムの上沢直之投手(29)が17日、西武戦(エスコンフィールド北海道)に先発し、エースの底力を見せた。2018年6月26日のソフトバンク戦(那覇)以来となる完封勝利で、リーグトップタイの4勝目を挙げた。
時折、雄たびを上げながら、9回120球を投げて、4安打2四球、9奪三振の熱投。スコアボードに「0」を刻み、最後までマウンドに立ち続けた。
1786日ぶりの完封に「そんなに?」 でん部に打球直撃も問題なし
5年ぶりの完封勝利と知ると「そんなに?」と目をパチクリ。「でも、確かにずっと、なんだかんだ1点取られているなみたいな。まあでも単純にうれしいです」と、ほっとした表情を浮かべた。
七回には打球が右臀部(でんぶ)付近を直撃。八回で109に達していたが、降板するつもりはなかった。「基本的に僕は続投の時は、来ないでくださいって言っている」。ベンチで首脳陣から声をかけられることはなかった。
拍手と歓声に包まれた九回のマウンド 「あのおかげで完封できた」
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九回のマウンドに上がると、拍手が自然とわき起こり、右腕を後押しした。「僕まで届いていましたし、あのおかげで完封できたかなと思います」と感謝した。
エースの責任を背負い登板 同期の松本剛も感じた覚悟
7回4失点だった6日の楽天戦以来、中10日での登板。開幕から調子が上がらず、エースとして責任を感じていた。先発陣ではポンセ、金村がけがで離脱。「本来、僕がしなきゃいけない役目を(鈴木)健矢とかが中5とかで回ってくれている。僕がしっかりしないから、今そういう状況になっている。昨日(16日)たくさん中継ぎの人が投げていたので」
そんな上沢の確固たる決意を、ドラフト同期で選手会長の松本剛は左翼の守備位置から感じていた。前日16日に延長十二回の末、敗戦していたこともあり、「最後まで投げるという雰囲気も気迫も背中から出ていて、野手もそれを感じ取っていた」と明かした。
〝新庄ユニ〟の着こなしも完璧 スタイリッシュに躍動
左打者へのカットボールを封印し、チェンジアップを多投。ピッチングだけではなく、新庄監督がデザインした襟付きユニホームの着こなしも完璧だった。試合前には、「いろんな人に見られているんですから当たり前じゃないですか」とファッションチェックをした。
鏡の前で「どうやったらかっこ良く着こなせるか」をじっくり研究。「今日はわりとベルトは絞り目で投げていました。ポイントは(パンツを)ハイウエスト目。ユニホームがダボってならないほうがいい」とスタイリッシュな装いで臨んだ。
チームでは「勝ったらまた着ることになるんじゃない」という話も出ており、「ファンの方から、あのユニホーム強かったねって思ってもらえるような限定ユニにしたい。僕も5年ぶりに完封できて、縁起が良いので着たいなと思います」とニンマリ。お立ち台では「僕、結構似合っているんじゃないですかね。足長く見えるし」と自画自賛した。
新庄監督も絶賛 「安心して見ていられますね」
チームの連敗を止める完封劇に、指揮官も「別人になるって言ってたでしょ。5月から6月19日ぐらいまで。加藤(貴)くんといい、今日の上沢君といい、安心して見ていられますね」とご満悦。気温の上昇とともに、エースの状態もどんどん上がっている。