1回戦で北海と対戦する遠軽 全道でも打ち勝つ! 春季全道高校野球・組み合わせ抽選
2年ぶり18度目の全道出場 部員は過去最多78人
春季全道高校野球の組み合わせ抽選が18日、札幌市内で行われた。2年ぶり18度目の出場となる遠軽は、1回戦で北海と戦う。北見支部予選では持ち前の打撃力を発揮し、全てコールドで勝ち上がった。マネージャーを含めた部員78人は過去最多。小野泰雅主将(3年)は「遠軽の野球で全道でも暴れる」と力を込めた。
支部予選3試合31得点と打線が絶好調 1番から9番まで全員ホームランを狙い
打って、打って、打ちまくる。支部予選3試合で31得点の得点力が最大の武器だ。小野主将は「遠軽の野球、打ち勝つ野球ができた。打撃と走塁を絡めて、ビッグイニングをつくることができた」と振り返った。1番から9番まで全員のフルスイングがモットー。「バッティングの最高の形がホームランだと思うので、全員がホームランを狙ってやってます」と言い切った。
多彩な打撃メニュー しっかりと頭を使いながら振る
冬の間はただ振るのではなく、考えて振ることを意識した。あらゆるドリルを取り入れ、多彩な打撃メニューをこなした。ボールを点ではなく線で捉えるため、打撃練習を細分化。直球や変化球も内外や高低などのコース別に振り込んだ。小野は「無意識にそこのコースにバットを出せるメカニズムをつくるようにやっていました」。しっかりと頭を使いながら振ることで「(練習の)質は明らかに良くなっている」と手応えも十分だ。
準優勝した2002年以来の白星へ
初戦の相手は昨秋準優勝の北海に決まった。「注目されると思うので、全道に遠軽高校の野球を広めるチャンス。胸を借りるつもりで全力で頑張ります!」と小野主将。好投手・熊谷陽輝(3年)も控える投手陣との対戦を心待ちにする。「自分たちのやってきたことの積み重ねを見せる。どれぐらい点数を取れるか、この中で打ち勝つ野球をやっていかないといけないので、やることはぶらさずにやっていこうかなと思います」。
「自分たちはいろんな部分で歴史の1ページを刻む」
春の全道では準優勝した2002年以来、白星がない。「もう一回、白星を付けたい。自分たちはいろんな部分で歴史の1ページを刻むことを掲げてやっている。夏の甲子園も(北大会で)優勝して行ったことはないので、そこも含めて新しい歴史をつくる」。21年ぶりの勝利を挙げて、夏への勢いを生み出す。
◆歴代4校目の2年連続優勝を狙う札幌第一 24日の開会式直後の開幕試合で北海道栄と対戦する。藤本慎之亮主将(3年)は「開幕試合は特に意識しないけど、1試合でも多く戦って、2連覇を達成したい」と力を込めた。昨春は全道一に輝いたが、夏と秋は札幌支部の代表決定戦で敗退。特に新チームの秋は、北海に1-8で八回コールド負けを喫した。「情けなくて。応援してくれた人たちにも申し訳なかった。その悔しい思いとともに、冬を乗り越えてきた」と、厳しい練習を乗り越える原動力に変えてきた。北海道栄には春の練習試合で大差で勝利しているが、藤本主将は「向こうはエースも投げなかったと思うので、結果は関係ない」。オープニングゲームを制し、勢いに乗る。
◆今春の選抜甲子園21世紀枠に惜しくも落選した稚内大谷 24日の第2試合で旭川明成と対戦する。本間敬三監督(39)は「マイナスなことはなかった。一番引きずっているのは僕だったのかな」と苦笑い。部員の精神的なたくましさを賞賛した。昨秋の全道は、立命館慶祥との1回戦で、2点リードの九回1死から同点に追いつかれ、延長十回に力尽きた。GWの札幌遠征では、円山球場の脇をバスで通り「この借りは、ここでしか返せないぞ」とゲキ。北北海道の稚内大谷は、3年生が円山球場で戦うのはこの春が最後。リベンジへの思いをチーム全体で共有した。
春の練習試合は、北海や千葉・暁星国際、東京・帝京、静岡・東海大翔洋など8試合戦って全敗といまひとつだった。ただ本間監督は「練習試合で苦しんだ分、公式戦でははつらつと」。名寄支部では士別翔雲戦で2点ビハインドから逆転勝ちを収めるなど、どん底から這い上がってきた。村上琉斗二塁手(3年)は21世紀枠候補に落選直後は「チームの雰囲気もちょっと落ちたんですけど、夏1本に絞れて、気持ち的には逆に楽になった。後先のことを考えず、しっかり勝ちにこだわっていきたい」。5年ぶりの春1勝を狙う。