《荒木大輔のズバリ解投》持ち味発揮の加藤貴 中5日は十分に可能
■パ・リーグ6回戦 日本ハム1-0オリックス(5月19日、京セラドーム大阪)
まるでピッチクロックがあるかのようなリズム
見事にオリックス打線を0封。この試合は、リレー完封を飾った2投手に尽きる。
まずは先発の加藤貴。立ち上がりから持ち味を発揮した。テンポの良く、どんどんストライクゾーンで勝負していくのが彼のスタイル。メジャーでは今年からピッチクロックが導入された。まるで、その環境下にあると思わせるぐらい、リズミカルだった。
オリ打線を知り尽くした伏見のリードにしっかりと応えた
マスクをかぶったのは昨季までオリックスに在籍していた伏見。それぞれ打者の特徴は把握していたはず。とはいえ、リード通りに投げきれなければ、巧みなインサイドワークは生きない。時折、胸元を突くストレートは威力抜群だった。やはり、加藤貴の出来が勝利を大きく引き寄せた。
2戦連続完封目前での交代 八回降板は決め事
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完封ペースだったが、八回で降板。これは登板前からの決め事だったと推測する。前回登板から中5日。100球以内が目安だったのではないか。登板間隔を詰めても問題ないということを示したのも大きい。うまくサイクルに乗り、イニングや球数に制限をつけていけば、今後も中5日での登板は十分に可能だ。
抑えピッチャーになってきた田中正 1ー0での登板はクローザーの見せ場
九回に登板した田中正も見事だった。表情に不安は一切なく、自信がみなぎっていた。前回登板で、九回に同点弾を許していた。挽回したい―と気持ちが先走るだけではなく、これまで積み重ねてきた自信がうまくマッチ。最高の状態でマウンドに立てていた。
1―0で締めの九回に登板する。プレッシャーは相当だ。このような展開で、普段の力を発揮できない投手は多い。一方で、クローザーにとって、これほどやりがいのあるシチュエーションはない。そういう意味でも、田中正は抑えピッチャーになってきたと言える。
ハンソンの初安打&決勝打はチームにプラス 野村の奮起に期待
貴重な決勝打を叩き出したのはハンソン。乗っていってもらいたい新助っ人に一本が出た。チームにとってプラスでしかない。気になるのは途中でベンチに退いた野村。疲労の蓄積などがあるのかもしれないが、奮起に期待したい。