加藤貴 8回0封で3勝目 18イニング連続無失点中
■パ・リーグ6回戦 日本ハム1-0オリックス(5月19日、京セラドーム大阪)
今季初完封から中5日 27イニングぶりの四球にも動じず
左のエースは最後まで、ポーカーフェースを崩さなかった。日本ハムの加藤貴之投手(30)が19日、京セラドームで行われたオリックス戦に先発。8回無失点の好投で今季3勝目をマークした。前回登板の13日ロッテ戦(エスコンフィールド北海道)では完封劇を披露。中5日の登板でもスコアボードに「0」を並べ、連続無失点イニングを「18」に伸ばした。
抜群の安定感を見せつけた。精密機械のようなコントロールは、この夜も健在だった。一回2死から27イニングぶりの四球を与えたが、動じるそぶりは一切なし。4番・森を右飛に仕留めると、以降も淡々とアウトカウントを稼いだ。二回は単打に失策が絡み、無死二塁のピンチを迎えた。2死後、キャリア初のボークを宣告され、三塁まで走者を進められながら、きっちりと後続を断った。
女房役を立てる左腕 「僕は配球通り投げただけ」
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150キロを超える剛速球や、驚異的な曲がりを見せる変化球は持ち合わせていない。それでも、緻密な制球力と緩急を自在に操る投球で勝負を挑み、昨季の王者を封じ込めた。時には90キロ台のカーブを織り交ぜ、相手打線を翻弄。「(伏見)寅威さんが良いリードをしてくれた。僕は配球通り、そこに合わせて投げただけです」と、打たせて取る技巧派の真骨頂を見せつけた。
新庄監督ただただ絶賛 「もうもうもう。パーフェクト」
登板間隔を詰めて、カード頭を任された。首脳陣からの大きな期待に、左腕は100点満点の快投で応えた。「まだ前半なので体は元気。(中5日は)そこまで意識もしていない。野手の良いプレーがあって自分も乗っていくことができました」と、どこまでも謙虚にゲームを振り返った。
新庄監督は試合後「いや~、もうもうもう。パーフェクト。最後は加藤くんでも良かったんですけど、こういう1点差の場面でこれからも今日みたいに、田中正義くんに自信というものをつけさせたかった。加藤くんは投げたそうでしたけど、正義くんに任せてほしいっていうことは伝えてもらいました」と交代の舞台裏を説明。8回94球の快投を手放しで褒めちぎった。
完封したかった!? いやいやチーム事情を十分に理解
加藤貴は「僕は(九回もマウンドに)行く気でしたけど、中5日だったので仕方ないですね」と2戦連続完封の機会を逸し、少しだけ心残りがある様子。しかし、すぐに「長いイニングを投げたいと思っていたので、そこは自分的に良かったかな」と、チーム事情を鑑みた大人のコメントを残した。沈着冷静な背番号14は、これからもフォア・ザ・チームの精神でマウンドに立ち続ける。