新庄監督が神采配 冴えた勘 代打ハンソン初安打がV打
■パ・リーグ6回戦 日本ハム1ー0オリックス(5月19日、京セラドーム大阪)
最高の場面でひらめき 「ハンソンが(頭の中に)降りてきて」
天のお告げに従った。日本ハムの新庄剛志監督(51)が19日、京セラドームで行われたオリックス戦で神采配を的中させた。0―0の八回1死二、三塁。千載一遇のチャンスで、加入後ノーヒットだったアレン・ハンソン内野手(30)を指名。今月上旬に入団したばかりの新戦力が期待に応え、決勝の右前適時打を放った。
異彩を放つ勝負手が、ピタリとハマった。新庄監督は試合後、真っ先にこのシーンに触れた。「なんか知らんけど、ヒットを打っていないハンソンが(頭の中に)降りてきて、急に行ってもらいました。ああいう場面で新しくファミリーとして入って来たハンソンが打ってくれたら、彼も乗ってくれるだろうし、チームも乗るしね」。確かな根拠はなくても、ひらめきと運とハンソンの強い気持ちに懸けた。
采配ズバリに自画自賛 「ただの勘ピューターで。よう使ったよ!」
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七回まで互いにゼロ後進。1点の重みが増していた。八回に四球、アルカンタラのバント内野安打と犠打で、1死二、三塁までこぎつけた。打席には3番で起用していた水野。前夜はダメ押しの2点二塁打を放っていたが、この日は3三振。指揮官は動いた。
ベンチには清水、福田光、細川、中島、矢沢もいたが、1軍昇格後、4打席で無安打のハンソンを送り出した。大ばくちにも映る起用だったが「いや。勘ですよね。ただの勘ピューターで」と笑い飛ばし「持ち味? 分からない。(安打を)1本しか見てないんだよ。よう使ったよ! うん、よう使った!」と自画自賛しながら、報道陣を笑わせた。
新庄監督の期待に応えたハンソン ウイニングボール手に感激
独立リーグのBC・茨城から、年俸1500万円プラス出来高(金額は推定)の単年契約で加入したハンソン。メジャー4球団でプレーした経験を持つが、NPBは初挑戦。未知数だった。
監督の用意してくれた最高の舞台で、初安打が決勝打。一塁ベース上で、派手なガッツポーズを披露した。チームメートとファンに祝福され「信頼されているというのは、実感していました。限られた機会でも常に準備を大切にしてきた。それが結果に表れて良かった」と喜んだ。チームスタッフを通じて記念のウイニングボールを手渡されると、ハンソンは感激し、うれしそうにそれを受け取った。
3連勝&新庄体制初の4位浮上 さらに上位へ勢い加速
チームは3連勝で、新庄監督就任後、(開幕2カード目以降で)初の4位浮上。故障者続出の中でも、辛抱強く戦い、ベンチワークで勝ちを拾ってきた。借金返済、Aクラスへ、少しずつ視界が開けてきた。