野村 決勝打でスランプ脱出 8試合ぶりのマルチ安打&打点で勝利導く
■パ・リーグ7回戦 日本ハム5ー3オリックス(5月20日、京セラドーム大阪)
二回1死一、二塁で先制の2点二塁打 チームは今季初4連勝
復活を告げるマルチ安打だ。日本ハムの野村佑希内野手(22)が20日、京セラドームで行われたオリックス戦に「1番・一塁」で先発出場。二回1死一、二塁の好機で右中間へ先制の2点二塁打を放った。結果的にこの一打が決勝点となり、チームは今季初の4連勝を達成。勝利の立役者は「久しぶりに打つことができました!」と、ほっと胸をなで下ろした。
募るフラストレーションを自らのバットで拭い去った。打点を挙げたのは10日のソフトバンク戦以来8試合ぶり。「ここ最近なかなか良い結果が出ていなかったので開き直って、しっかり自分のスイングをしようと思って打席へ行きました」。打線の主役を務める男は、自責の念に駆られながらもメンタルを立て直した。
直近2試合はいずれも途中交代 首脳陣の決断には納得
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18日の西武戦では消極的な守備を理由に、途中交代を命じられた。19日のオリックス戦でも3打数無安打と奮わず、五回の守備からベンチへ退いた。2戦連続でゲーム途中にグラウンドを離れた野村は「僕の姿勢であったり、良くない部分があった。チームに良くない流れを持ってくる可能性があった。そういうところでのボスの判断。反省の意味を込めながら代えられたと思います」と、首脳陣の決断を真摯に受け止めた。
復調促すトップバッター起用 2安打に新庄監督も笑顔
新庄監督は我慢の姿勢を貫き、悩める背番号5の復調を待った。打順を下げる策もある中で「野村くんが初回から(打線を)引っ張っていって」と、あえて2試合連続で1番に起用。信頼を込めて送り出した切り込み隊長は、四回にも安打を重ね、見事に結果で応えてくれた。久々の勇姿を見届けた指揮官は「ヒットが出たことによって今までの下を向く気持ちが、正面になったんじゃないかな」と相好を崩した。
不振脱却で闘争心も上昇 「最後に一気にまくりたい」
慣れない打順で快音を放ち、スランプ脱出のきっかけを得た。野村は自身とチームに対する確かな手応えを感じ取っている。「(今季は)ボスが勝ちにいっている。去年は勉強させると言っていた一年。自分もいろいろなポジションを守ったし、いろいろな打順を打った。経験をさせてもらった分だけ、試合に入りやすくなっている。良い流れが来ているので、少しずつ上に近づいて最後に一気にまくりたい」。よみがえったスラッガーが逆襲をけん引する。