《岩本勉のガン流F論》ベテラン宮西の存在と、つながる打線が強さの礎
■パ・リーグ7回戦 日本ハム5ー3オリックス(5月20日、京セラドーム大阪)
ピンチを断った宮西 活躍ぶりは〝スーパーカートリッジ〟
日本ハムが今、強い!ベテラン左腕の存在が要因の一つだ。ジョイントに必要なカートリッジが充実しなくては各パーツが生きてこない。宮西は投手という一つ一つのピースを強力につなぎ合わせる〝スーパーカートリッジ〟の役割を担っている。
八回、4番手の宮内が2点を献上。4点あった点差があっという間に2点に縮まった。さらに2死二塁の場面で、鉄腕に出番が回ってきた。百戦錬磨の37歳は自身の暴投で2死三塁とピンチを広げたが、代打のセデーニョをきっちりと遊ゴロに打ち取った。
勝負の分かれ目を知るベテラン すべてがウイニングショット
単純に仕留めにいかなくてはいけないシーン。紛れもない勝負の分かれ目。百も承知の宮西はすべてウイニングショットを投じ、ねじ伏せた。
鉄腕の好リリーフには2つの大きすぎる価値が
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この1死には大きすぎる価値がある。まずは宮内を殺さなかった。継投に失敗していたならば、宮内の落胆は計り知れない。チームが勝ったことで、救われた。宮内は落胆することなく課題を見つめ直すことができるだろう。
後続の田中正にも勝利の流れをつくり、手渡すことができた。デビューからの連続救援登板は824試合に到達。日本記録を更新した。見事としか言いようがない。何度も口にしてきたことだが、宮西はプロフェッショナルとは何か―を常々見せてくれている。
下位打線でつくったチャンスを上位打線でモノにする
一方、打線のつながりも強さを引き立てている。野村を1番に置く〝突貫工事〟やマルティネスの4番起用など、マイナーチェンジはあったにせよ、下位打線でつくったチャンスを上位打線が確実にモノにしている。また、万波にも一発が飛び出し、主軸が役割を果たした。
打線のつながりは相手投手陣にプレッシャーを与え、交代のタイミングも惑わせる。山本由伸の登板回避や先発投手のアクシデントもあったが、結果、オリックスは7人もの投手をつぎ込まざるを得なかった。
投打ガッチリの戦いぶり 成長を続ける新庄ファイターズ
投打に見た強さ。負傷者続出の中、チームは確実に成長を続けている。