札幌DF岡村 試合後だから話せる京都FWパトリック対策
■5月21日、札幌ドームサブグラウンド
札幌DF岡村大八(26)が、激戦だった19日の京都戦(札幌ドーム、2〇1)を振り返った。
「先に体をぶつけてポジションを確保し、(空中戦で)競り勝つ」
岡村が対峙したのは試合前時点で今季4得点、J1通算90得点をマークしていた京都FWパトリック(35)。189センチの長身、強靱な肉体を武器とするパワータイプだ。183センチの岡村も対応に苦慮し、「前半は特に垂直跳びで競らされたので、ヘディングに強い選手ということもあって、ちょっと競り負けるシーンも多かったかなと思います」。その反省を生かして「後半は競り方を変えて、先に体をぶつけてポジションを確保するようにしたら、うまく競り勝つことができるようになりました」。空中戦での修正点を話す。
失点は「いいポジショニングを取られてしまった」
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前半41分、パトリックに左足でゴールを許した。「あの時は、1回菅(大輝)ちゃんのところのカバーリングに行こうか悩んだけど、間に合うかなと思って離して。ボールを背後に出されて、シュートに触ることはできたけど、シュートが(枠から)外れたのがわかったので触らなかった。そうしたらパトリックがあの位置にいて。あの失点に関しては、いいポジショニングを取られてしまったと思うけど、ただあそこ(菅)のカバーリングのところだけは、行ければもっと良かったのかなとは思っています」と失点シーンを振り返る。
アクシデント続発も、共通理解で守備崩れず
この試合では、後半16分に3バックの右サイドを守るDF田中駿汰(25)が右足首を痛め負傷退場、その田中駿に代わって出場したDF馬場晴也(21)も左膝を痛めて後半40分にピッチを退くなど、DFラインに予期せぬアクシデントが続発。最後は本職ではないMF荒野拓馬(30)が右サイドの穴を埋めた。「付くべき人に付くやり方を変えずに、マンツーマンで行くところを拓馬くんもわかってくれてましたし、やり方が統一されているので、守備の選手ではない人が入ってもそこまで崩れることなくできました」。チームが共通理解の基で戦えているからこそ、緊急事態も対応できたと胸を張る。
3バックの中央に陣取っていた岡村も「相手がパワープレーで前に放り込んでくるのはわかっていたので、自分の目の前のところで負けないこととカバーリングのところを意識して、集中が切れないように常に声かけの部分を意識していました」と、最後まで集中を切らすことなく守備陣を統率。1点リードを最後まで守り切り、2019年以来のリーグ戦3連勝をつかみ取った。
大声援を背に守備陣統率「手拍子、声のおかげで守れた」
この試合はコイントスに勝った京都がコートチェンジを選択したため、普段と違い後半は札幌サポーターを背にゴールを守る形となった。終了間際の緊迫した時間帯、サポーターからの大声援、手拍子が札幌ドーム内に響き渡り、「手拍子、声もすごい出してくれていましたし、ああいった声のおかげで守れたのもあると思います。改めて札幌はいいチームだなと思いましたし、3連勝に繋がった一つの要因だと思います」と、サポーターへの感謝を口にした。
「(名古屋戦は)カウンターに気をつけていかなければ」
これで札幌は勝ち点を22に伸ばし、7位に浮上。次のリーグ戦は勝ち点26で3位に付ける名古屋(27日、札幌ドーム)が相手だ。「これから上位を目指していく上で、上位を喰っていかないと離されていくだけになってしまいますし、去年もやられているわけでもない(対名古屋1勝1分)ので、苦手意識もそんなに無い。ただ堅くてカウンターが速いチームで、キャンプ(の練習試合)のときもカウンターでやられているので気をつけていかなければいけない。自分たちのプレーを見せて、4連勝、そして5連勝と続けていきたいです」と上位進出を見据えている。