松本剛の打撃を支える「目のトレーニング」 野口氏が21年から二人三脚でサポート
毎試合後、野口氏から送られてくる動画のチェックがルーティン
昨季首位打者を獲得した日本ハムの松本剛外野手(29)が、今季もここまで打率.303と好調をキープしている。なぜ、コンスタントに結果を残せるのかー。飛躍のきっかけには、グッドアイスポーツビジョンセンター代表の野口信吾氏(36)とともに取り組む『目のトレーニング』があった。
松本剛には、欠かせないルーティンがある。毎試合後、野口氏からLINEで送られてくる動画とメッセージをチェックすることだ。「毎日、打席の動画とかを送ってもらって、この打席はこうだよとか、目の使い方を分析してくれる。それを自分なりに目線を抑えた方が良いのかなとか、目線を上げた方が良いのかなとか、ちょっと顎が上がっているな、とか解釈しています」
ビジョントレーニングを本格的に導入したのは、2021年。その年は自身初の開幕スタメンをつかんだが、4月中旬に2軍降格し、バッティングを見つめ直す時間ができた。「新しいものを、という欲が出てきた」と、チームメートだった高浜祐仁(現阪神)から紹介してもらった。
球技の中で野球は 目を一番使う難しいスポーツ
野球において、目は重要な役割を担っている。これまで600人以上をサポートしてきた野口氏は、こう説明する。「球技の中でも野球は目を一番と言っていいほど使う難しいスポーツ。だから目のトレーニングが必要になります。高度なことをやっているにもかかわらず、目についての意識が低い。もちろん、目のトレーニングを漠然とすればいいわけでは全くありません」。選手によって、目の使い方の癖がある。たとえばボールを追うときに、顎が上がったり、目線が上を向いてしまうと、高めのボールに手を出しやすくなる傾向があるそうだ。
指を使って行う基本のビジョントレーニングはもちろん、目の動きを良くするため、体の使い方の指導も受ける。松本剛は「意識をしないで右を見るといったら(頭も)一緒に動くじゃないですか。顎が上がって動いているのか、バッティングの時に平行で動いているのか。首を動かさないで、目だけで力みなく動けるように意識付けしています」。野口氏に傾向と対策を提示してもらい、毎試合の振り返りと準備を進めている。