ファイターズ
《ハム番24時》5月22日
あれから9年。時の流れは本当に早いのだと実感した。前カードのオリックス3連戦の期間中。誕生日が目前に迫っていた清水に取材をしていると、ふと昔の記憶がよみがえってきた。
思い出の舞台は、2015年に鎌ケ谷で行われた新人合同自主トレだ。ルーキーだった清水は、夕食後に1人で室内練習場に籠もり、黙々と打撃練習を行っていた。当時はまだ18歳。プロ野球選手とはいえ木製バットに慣れておらず、マシンの速球に詰まって大切な商売道具をへし折られていた。
使えなくなったバットは廃棄用のボックスに収めるのが通例だが「誰かに見られたら恥ずかしいから」と、いそいそと寮へ持ち帰っていた姿を鮮明に覚えている。月日が経ち、少年のあどけなさを残していた背番号10はたくましく成長を遂げた。
27歳イヤーの抱負を一通り聞き終えた記者は、せんえつながら2年ぶりのホームランに期待していることを伝えた。すると清水は「分かりました。見ていてください。次、試合に出ることがあればエグイの打ちますから。マジで」と爽やかに笑った。もしも約束が果たされたなら、ウルッと来てしまうかも。