【コロナからの夜明け】④ 札幌出身シンガーソングライター・山崎あおい 制限緩和に「自分のできることは増えた。すごい楽しみ」
鈴木愛理、アンジュルム、タイトル未定などに楽曲提供する作詞・作曲家としても活動
コロナ禍で〝培ったもの〟を発信していく。札幌市出身のシンガーソングライター・山崎あおいは、鈴木愛理やアンジュルム、タイトル未定などに楽曲提供をしており、作詞・作曲家としても活躍している。苦しかったコロナ禍だったが「挑戦できた部分もあった」と前を向く。制作面において多くのことをアップデートできたという。「自分のできることは増えたけど、制限がなくなる。すごい楽しみ」と胸を躍らせている。
新型コロナがまん延した際には、予定していたツアーが次々と中止となった。アーティスト活動の場はなくなり、さらに世の中全体の雰囲気も暗くなっていた。体調面の不安をずっと抱き続けるピリピリとした緊張感は常に存在した。ただ、多才な才能を持つ山崎にとって、ライブが減ったことはマイナス面ばかりではなかった。
制限のかかった中で「何ができるかがすごい楽しかった」
「配信ライブをやってみようとか、自宅でどれだけの制作ができるか、みたいなところもあった」と制限のかかった中で、さまざまなことにチャレンジした。「その条件の中で何ができるかがすごい楽しかった。キャンプ場でライブをやってみようと、配信機材を持っていって、キャンプ場のWi-Fiだけを借りてやってみると楽しかったです」と当時を振り返った。
コロナ禍ではできなかったライブ演出を模索 アイドルの曲はコールを意識して作ることも
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徐々にライブの制限なども緩和されてきたことで、その経験を生かすときが来ている。「演出とかも今までできなかったような、ライブ演出ができるかもしれない」とイメージを膨らませている。「客席から登場するとか。コロナ禍ではできなかったことなので、そういうこともできるのかと思うと、すごい幅が広がります」とうなづいた。
作詞・作曲家としても同様だ。アイドルソングの楽曲提供を行うことの多い山崎にとって、声出しライブの解禁は大きな前進。「ファンのコールを意識して作る曲もあったりするので、そういうのが復活するのはうれしいです」。ライブを見ていても、会場が一体となっている光景には圧倒されるという。「すごいです。そっちの方がおもしろくなっちゃう。ステージのパフォーマンスとコールのそろい方がすごい」。
北海道発の4人組アイドル「タイトル未定」が4月18日にリリースした「栞」は、山崎が提供した楽曲。偶然にもタイトル未定が東京都内で行っていたリリースイベントに遭遇した。「普通にお台場で友達と買い物してたら見られました」とニッコリ。同曲は恋愛模様を描いており「恋愛曲は本人たちは感情移入しづらいと思います。でも、ラブソングであっても、聞いている人にはいろんな受け取り方があると思うので、その曲を歌ったときにパフォーマンスしている子たちがどう見えるのかを考えながらやっているかもしれないです」。
「第三者だからこそ見えてくるみたいなものは残していきたい」
同じ曲作りでも「違う頭を使って書いている感じです」と話す。「自分の声で歌うことを考慮して書くので、自分の方が難しいです」。楽曲提供するアーティストの背景や声を想像しながら、曲を書くことを楽しんでいる。「こういうことを歌ってくれたら私はときめくな。みたいな、ある意味ちょっと無責任な感じで提案してます。第三者で、本人でも運営でもないからこそ見えてくるみたいなものは残していきたい」。
長かったコロナ禍からの光がようやく見えてきた。「コンスタントに作品を出し続けたいですね。あとは自分のスタジオが欲しいという目標はずっとあります」。制限の多かった3年間で力を蓄えた。さらなる飛躍へ、土台は整った。
■プロフィール 山崎 あおい(やまざき・あおい) 札幌市出身のシンガーソングライター、作詞・作曲家。高校在学中にYAMAHA主催のコンテスト「The 3rd Music Revolution」に出場し、グランプリと特別審査員賞をダブル受賞。大学進学を機に拠点を東京に移し、2012年8月にメジャーデビューを果たした。