J1トップの得点力まで成長した攻撃の要因《河合CRC竜の眼》
チームの底上げを感じるし、イメージ共有はかなり仕上がってきている
北海道コンサドーレ札幌は19日のホーム京都戦(2〇1)で4年ぶりの3連勝を達成した。久しぶりにこれだけ連勝すると気持ちいいものだなと改めて思うし、チームの勢いを感じている。ルヴァン杯も24日の横浜M戦(3〇2)を勝利し、プライムステージ進出に向け大きく前進した。ターンオーバーしてこれだけの結果を出せているところにチームの底上げを感じるし、イメージ共有の部分はかなり仕上がってきているのではないだろうか。
今回は、現在J1トップの得点力を誇る札幌の攻撃についてクローズアップしたい。
ミシャ監督就任前とは真逆のサッカー
14試合で31得点の数字は率直に驚いている。ペトロヴィッチ監督が就任する前までは、リトリートしてリアクションサッカーをすることで勝ち点を稼げるチームだった印象が強いが、それが今は真逆のサッカーをしていることに驚きを感じるし、改めてミシャさんのサッカーのすごさを見せてもらっている。
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ミシャさんが就任して6年目となるが、今年のサッカーはつくりの部分から違いを感じている。去年まではボール回しの中でバックパスが多い印象はあったが、今年はビルドアップからしっかりボールを持ち運べているし、特にここ数試合はDFがフリーで持ち運ぶ回数が増えてきた印象を受ける。
守備から攻撃へ切り替え時のセカンドボールの回収
好調の要因の一つに挙げたいのが、守備から攻撃への切り替えがすごく早いこと。ここでセカンドボールを回収できているのが今の好調の理由ではないだろうか。攻守の切り替えでボールホルダーが失った瞬間に行くことができているので、相手としては蹴るか、繋いだとしても次にもらう選手が顔を上げている時間が無い。そこで奪ったり、適当に蹴るしかないボールをDF岡村やDF田中駿が回収して、二次攻撃、三次攻撃と続けられている。岡村はヘディングでボールを繋ぐことができるし、田中駿もセカンドボールの予測が早いので、そこで回収できるのが大きい。攻守の切り替えが本当にすばらしく、成長を感じる。
得点パターンも多彩で、裏へのパスやフィードもあるし、3人、4人と関わる連係もよく見られる。ショートカウンターもあり、本当にフィニッシュまでのバリエーションが多い。流れの中で得点できているのはサポーターが見ていて面白いだろうし、すごく魅力的なサッカーを展開できている。あとはFKやCKから得点できるようになると、もっと楽にゲームを運べるようになる。そういう意味では、まだまだ大量得点を積み重ねられる余地があるのではないか。
引いた相手を打破できる金子のドリブル
今の札幌の攻撃のキーマンを1人挙げるなら、MF金子だ。8得点のMF浅野、4得点のFW小柏の裏抜けのタイミングがいいのはもちろんだが、鹿島戦のように守りを固められた相手の守備網をどう突破していくかのところで金子の存在が重要になる。彼のドリブルはブライトンのMF三笘のように必ず1人は抜けるという計算ができるまでになったし、引いた相手に対して現状を打破できるピースになると思っている。相手を抜いてからの右足の精度も上がってきた。彼に2人マークがつくことによって味方が1人空く中で、田中駿がしっかりとサポートに入っているし、右サイドで2人、3人関わっての連係ができている。
25日に日本代表の発表があり、残念ながら札幌の選手は1人も入らなかったが、実際に森保監督や日本代表コーチが視察に来るようなチームになってきていることは間違いない。やはり代表に1人でも多く入ってほしいし、そのためには今のサッカー、今のプレーを自信を持って続けていけば、必ず選手自身、そしてチームの成長に繋がるので、ファン、サポーターの皆さんにも一緒に戦ってもらいたい。
名古屋戦はセットプレーからのゴールで優位に進めたい
27日には名古屋戦がある。名古屋は自陣に引いてカウンターの戦い方を得意としているが、このカウンターが本当に強烈だ。引かれた相手に対してセットプレーでゴールできれば試合を優位に進められると思うので、DF福森のFKから乗りに乗っている岡村にゴールを狙っていってほしい。
この試合ではコンサドーレのオリジナルビール「コンサエール」を限定販売する。前売り券の販売は終了したが、急遽当日販売も行うこととなった。本当においしく、何杯でも飲まさるビールなので、ぜひ皆さんにも札幌ドームでコンサエールを堪能していただきたい。
(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)