4勝目を挙げた加藤貴 〝交代拒否〟で示した先発の柱としての自覚
■パ・リーグ11回戦 ソフトバンク1ー5日本ハム(5月25日、エスコンフィールド北海道)
6回1失点と好投もヒーローインタビューで反省
日本ハムの加藤貴之投手(30)が25日のソフトバンク戦(エスコンフィールド北海道)に先発し、6回95球を投げて5安打1失点と好投。味方打線の援護にも恵まれ、自身3連勝で今季4勝目をマークした。
お立ち台に立つ加藤貴の表情は曇りがちだった。「うれしいですけど、ちょっと悔しいですね」と苦笑い。「球数が多くなったので、もう1イニング、もう2イニングいけたと思う。体は元気なので、そこはしっかりと反省したいです」と、長い回を投げられなかったことを悔やんだ。
エスコンで自身初四球も後続をピシャリ
一回に先制点を献上。連続無失点イニングは「18」で途切れたが、落ち着いていた。2点リードの四回2死一塁からエスコンフィールド北海道で自身初の四球を与え、2死一、二塁のピンチ。表情を変えることなく、嶺井を遊ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
交代拒否は主戦の自覚から 建山コーチ「今までで一番、駄々をこねられた」
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登板間隔中5日の疲労を考慮し、6回95球で降板。本人は「毎試合入って、肩をつくっているリリーフの負担を減らしたい」と納得していなかった。交代を告げた建山投手コーチは「疲れがたまってからでは遅いので、無理やり変えました。今までで一番、駄々をこねられました」と証言。先発陣の柱としての自覚を示す左腕の行動に「うれしくなる。意識の高さが上沢(直之)や(伊藤)大海にも影響していると思う」と大きな期待を寄せた。
安定感抜群の左腕 闘志を内に秘め快投を続ける
今季自身初の開幕投手を務めた加藤貴は、もともと闘志を内に秘めるタイプ。「野球は楽しむもの」がモットーで、「急に球が速くなったりしないし、このままのんびりと、のほほんと長く野球したい。けがなく1年でも長く野球できたらいい」と堅実な目標を掲げる。
5月は4試合に登板し、計30イニングを投げて、自責点「1」と無双中。体が万全ならば、次回も中5日でのマウンドとなりそうだ。左のエースは、言葉ではなくその背中でチームを引っ張っている。