高校野球
2023/05/26 19:30

北海道栄・背番号17の平が快投 旭川明成を8回0/3無失点に封じる【春季全道大会】

8回を無失点と快投した道栄の平投手(撮影・西川薫)

■春季全道高校野球準々決勝 北海道栄2―0旭川明成(5月26日、札幌円山)

低めに集める投球で三塁踏ませず

 大舞台で一世一代の投球を見せた。北海道栄の先発・平大輝投手(3年)が旭川明成を8回0/3無失点に封じ、チームを4強入りに導いた。ダイナミックなフォームから繰り出す直球の中に、効果的にスライダーを織り交ぜ相手打者のタイミングをずらした。低めに集める丁寧な投球で三塁を踏ませぬ好投。のらりくらりと凡打の山を築いた。

1回戦5失点の反省生かし

 1回戦の札幌第一戦でも先発したが、3回5失点(自責3)と崩れた。制球を乱した反省を生かし「ストライクをどんどん取る」意識を持って、4強入りを懸けたマウンドに上がった。「変化球でもストライクが取れて、自分のピッチングができました」と胸を張った。左腕の快投に加藤功臣監督(38)も「コントロールが良くて、低めに集まっていた」と目を細めた。

「完封よりかはチームが勝てれば良かった」

 完封を懸けた九回。先頭打者に安打を浴びたところで指揮官は「捕手と相談して『そろそろ体力が』ということだったので、1人出たら(交代)と決めていました」と決断。平自身も「完封よりかはチームが勝てれば良かった」とケロリ。それよりもエース・山崎晄投手(こう、3年)との完封リレーを「嬉しいです」と素直に喜んだ。

冬の投げ込みで制球力磨く

 昨年まで4番手に甘んじていたが、最終学年の今年グッと頭角を現した。加藤監督は「責任感が出てきた。自分に甘かった。練習も気持ちの入っていないこともたくさんあった」と振り返る。冬の間は2日に1度のペースで50~60球のブルペン投球を敢行し生命線である制球力を磨いた。「最後の年なので悔いのないように」と見違える姿勢で練習に取り組んだ。背番号1を付ける山崎も「自主練もしっかりやっていた」と一目置いている。

 その猛練習の成果もあり、ボールを自在に操れるフォームが3月頃に固まった。テイクバックを大きく取ることで制球は安定。全道大会で先発を任されるまで評価を高めた。そして、この日は旭川明成の最速141キロ左腕・千葉隆広投手(3年)に投げ勝つなど、登板を重ねるたびに自信を深めている。

21年の準優勝を超えるまで、あと2勝

 先輩たちの無念を晴らす。21年の春季全道大会で決勝まで進んだが、札幌日大高に2―3で惜敗し準優勝に終わった。そのリベンジに向け急成長した左腕がチームを先導する。「背番号1を付けたい気持ちもあります」と燃える平。あと2勝をつかむため、一心不乱に左腕を振る。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい