雨の楽天モバイルパーク宮城で、温かい光景を見た。２８日の試合前、自分の練習を終えた池田が一塁側スタンドに近寄った。楽天は２１年２月まで所属した古巣。「自分のグッズとか、タオルとかを持ってくれている人がすごく多かった。ここで育ったという思いもある」と、ぬれることをいとわず、ファンにサインを書き始めた。

　フリー打撃が終わり、全選手がロッカーに引き上げてもただ一人、グラウンドに残って手を動かし続けた。「楽天のユニホームを着ていても、自分を応援しているって言ってくれる人もいる。会ったことがない人の中にも、楽天時代から応援してくれている人がいると思う。時間が許す限りやりたかった」。人一倍、ファンサービスを大切にする右腕は、試合でも同点の延長十一回に登板し、１回無失点と好投。サインを書く優しい笑顔と、マウンドでの生き生きとした表情が印象に残った。